カルシウムやリンなどの骨基質成分となる物質は吸収と排泄以外に骨を貯蔵庫にした代謝回転により最適な血中濃度を維持しています。最近血中カルシウムの濃度を感知するレセプターがクローニングされました。
血中のカルシウム濃度は常に９〜１０mg/dl（２．２５〜２．５mM）に厳密にコントロールされている．血漿カルシウムの内，イオンとして５０％，１０％はリン酸，重炭酸，乳酸，クエン酸などの塩である．残りの４０％はアルブミンと結合する．この結合はpHに依存しており，血漿pHがアルカリ性になると，アルブミン結合カルシウムは増加する．細胞質内のカルシウム濃度はそれに比べ著しく低く，１０の-7乗程度で，細胞外の１０００分の１以下に保たれ，カルシウムが細胞内でシグナル分子として働くのを助けている．
カルシウムの吸収と排泄
カルシウムは主に腸管から吸収されるが，細胞内に高濃度のカルシウムが流入すると細胞の機能そのものを傷害する．そこで，Vitamin D依存性のCa輸送担体や，CaBPが大きな役割を果たしている．腎臓ではカルシウムは近位尿細管の透過率が非常に高く８０％が受動的に輸送され，再吸収される．
カルシウムイオンバランスの調節
カルシウムイオンの濃度は活性型ビタミンD３（VD3）やカルシトニン，副甲状腺ホルモンなどによって調節されている．VD3は小腸の上皮細胞に直接作用して，カルシウム結合タンパク質の合成を遺伝子レベルで促進する．カルシトニンは破骨細胞に直接作用して，骨からのカルシウム放出を抑制する．副甲状腺ホルモンは活性型VD3の合成を促進する．