もうひとつ遺伝に伴う骨の病気を紹介します。骨形成不全症（OI) と呼ばれるこの病気の原因の多くはコラーゲンの異常です。骨芽細胞や、軟骨細胞が作るコラーゲンに異常があるために、上のようにねじまがったような骨が形成されてしまいます。残念ながら今のところ良い治療法はないそうです。
最近、研究が進むにつれ、主に劣性遺伝する症状の軽いタイプの骨形成不全症についても研究が進んでいます。２００１年の米国骨代謝学会では、骨粗鬆症の治療薬として利用されているビスホスホネートが、骨形成不全症にも効果があるという報告がありました。大理石病治療の方向性が少しずつ見えて来ています。
OIを持つ患者さんの間葉系幹細胞で、異常コラーゲン遺伝子を正常コラーゲン遺伝子で置き換えて治療する方法が動物実験で成功しました（Science 303 1198-1201, 2004）。再生医療と遺伝子治療を組み合わせる事で、OI治療への道が開けるかもしれません。
参考：ネットワークOI 骨形成不全症を持つひとびとのネットワーク。様々な情報交換がなされています。